たんじょうびストーリー(フィクション=妄想)


彼氏にプレゼントでCDをもらった。
朝方、友達と羽田から帰宅する電車の中で「meiちゃんプレゼント何もらえるんだろーね」という話題になり、わたしも「ね。」って感じで返事をした。少し間をおいて、「ヘッドフォンだったりして」と冗談ぽく言うと、みんな爆笑して「ウケル〜」と言っていた。いつもは韻ファシズムについて1時間は軽く議論をしていたり、今のHIPHOPの話に熱くなってしまったりする仲ではあるけれど、プレゼントは何かいかにも女の子にプレゼントするようなものだろうとそんな普通の彼氏彼女的なノリを少し期待していた。
そんな気持ちで受け取ったのが、CDだった。
正直、思い描いていたものとは違って拍子抜けしてしまった。確かに1枚は欲しいCDだったから嬉しかったけど、なんか。うん。喜べなかった。そこで一生懸命プレゼントを選んでくれた人はね、そりゃ悲しいよ。そこで嘘でも精一杯嬉しい顔ができない自分にも、引いた。
そんな気持ちで彼とは別れて、ひとり家で少し忘れられたCDを手に取る。やっぱりCDをあけるときってワクワクするもんで。なんだかんだウキウキ気分で聴いたことの無かったほうを先に再生する・・・・・そしてすごい感動した。泣けた。
そこから流れてくる音はすごくキレイですごく優しくて。これを選んでプレゼントしてくれた彼の気持ちがやっとわかって、泣けた。本当にひどい彼女だと。全然プレゼントした気持ちをわかってあげられなくて。まぁ実はそんなに深い意味はなかったにしても、それでもわたしはこのCDを選んでくれたこともこれをプレゼントしてくれた彼のこともすごく自慢できる。きっと友達に会ってCDと言えば何か言われるんだろうけど(現にすでに1件あった)、わたしは全然嬉しい気持ちを伝えられる。受け取る人に合ったものがまさに最高のプレゼントなんだね。一般的な価値なんて決められるのは所詮数字だよ。そんなものが自分の価値と同じになってしまってるなんて、おろか。
最高のプレゼントを、ありがとう。


あーにしても、彼氏は手違いでラッパ我リヤの新譜買ってないでよかったね。それじゃストーリーも作れんわい。